【おすすめ漫画】『風の谷のナウシカ/宮崎駿』レビュー×感想×あらすじ紹介!!※一部ネタバレあり

SF・ファンタジー
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アニメで描かれたのは前半3割程。
ナウシカが行き着く衝撃のクライマックスに鳥肌が止まらないっ!

風の谷のナウシカ / 作品概要

Bitly
  • ジャンル: SF×ファンタジー
  • 作者 : 宮崎駿みやざきはやお
  • 出版社 : 徳間書店
  • 掲載誌 : アニメージュ
  • 連載期間 : 1982年2月号 〜 1994年3月号
  • 単行本 : 全7巻(全59話)
  • アニメ版は1984年3月劇場公開/配給:東映 制作:トップクラフト(スタジオジブリの前身会社)
  • 受賞歴:
    第23回日本漫画家協会賞大賞(1994年)
    第26回星雲賞コミック部門受賞(1995年)

劇場版詳細情報はこちら

アニメ公式サイト

風の谷のナウシカ / こんな方にオススメ!

  • SF・ファンタジー作品が好きな方
  • アニメで描かれていないナウシカのその後が気になる方
  • 宮崎駿的人類の未来予測に興味がある方

風の谷のナウシカ / あらすじ

以降一部ネタバレを含みますのでご注意ください

高度産業文明が崩壊してから1000年後。

汚染された大地は菌類の森、通称・『腐海ふかい』が広がり、巨大な『むし』と呼ばれる生物達の棲家となっていた。

壊滅状態の人類が生きられる土地は世界の極わずかに点在するのみとなり、人々は腐海が吐き出す猛毒ガスに怯える生活を送っていた。

そんな危機を打開すべく『風の谷』の族長の娘ナウシカはこの世界を再生するため腐海調査の旅へ出る。

その先でトルメキア土鬼ドルクといった国々の戦争に巻き込まれていくナウシカであったが、やがてこの世界が閉ざした信じ難い真実へ辿り着くことになる。

ココが面白い!!見どころ4つ紹介

にっく
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  1. 原作でしか語られていないあと7割もの重要な物語
  2. 少女ナウシカを支える勇敢な仲間達
  3. 『腐海・王蟲』変わリ果てた生態系と変わらない人間の戦争意識
  4. この世界の結末 ナウシカの行末

原作でしか語られていないあと7割もの重要な物語

まず驚くのが原作に描かれている世界観と物語のボリューム感が圧倒的なところです!

アニメ劇場版を観たことがある方は多いかと思いますが、実はあの壮大なスケールで制作されたアニメでさえ描かれているのは全体の2〜3割程でしかありません。

本書では映画クライマックスの戦争後のナウシカの壮絶な人生や、王蟲や人類が辿る運命がしっかり終いまで描かれています。

また、この原作は劇場公開してから約10年も後に最終回を迎えており、宮崎駿が計12年以上もの歳月をかけて連載した作品でもあります。

そんな日本のトップに君臨し続けるクリエイターが練りに練った圧倒的情報量を詰め込んだ物語は大注目です!!

少女ナウシカを支える勇敢な仲間達

次におすすめしたいのが何といっても魅力的なキャラ達です!

ナウシカの出身地である風の谷の住人や、戦争の最前線にいる各国の強者達、森の人と呼ばれる腐海で暮らす謎の住人など挙げるとキリが無いほど様々な思想や生き方を選んだ人種が登場します。

その多くが憎悪や悲しみ・恐怖に心が囚われ戦争に加担しているのですが、最後までナウシカを助けてくれる勇敢な仲間達がとてもカッコよく描かれています。

個人的に推しなのはユパ・ミランダと、森の人という種族の長の息子セルムです!

このユパはアニメでも登場する『ユパ様』でお馴染みのナウシカの師匠です。

『腐海一の剣豪』と称される彼は、原作ではさらに活躍する場面が多く、老人とは思えないイケメンぶりを放っていますw

そして、セルムは『森の人』という種族の長の息子で、年齢はナウシカとそう変わらそうな姿をしたハンサムな青年です。

彼は人類が遠い昔に閉ざした知恵を代々継承している重要人物なのですが、ナウシカがピンチに陥るたびに不思議な能力で駆けつけてくれる頼れる仲間の一人です。

他にもトルメキアのクシャナやクロトワ、土鬼のチククなど魅力的なキャラがたくさんいますが収拾がつかなくなるので割愛しますw

『腐海・蟲』変わリ果てた生態系と変わらない人間の戦争意識

この世界は我々現代の人類が『火の7日間』と呼ばれる世界戦争をしてから1000年以上経った時代の話になっており、生態系が現代とは大きく変わっています。

その戦争によって生まれた腐海という猛毒ガスを吐き出す森や、そこに住む王蟲をはじめとした蟲たち。

また、旧人類が開発したと言われるヒドラ巨神兵という人造人間など恐ろしくて不気味な生物で溢れています。

1000年前の大戦争で人類の文明も途絶えてしまったこの変わり果てた世界で、人々はそういった未知の恐怖に怯えながら暮らしているのですが。

その一方で人間同士の資源や領土を奪い合いや、宗教や思想感の違いで起こる戦争という、人間の変わらない悲しい習性も克明に描かれています。

そういった問題に自分達がどう向きあえばいいのかという大きなテーマが根底にあるところも見どころです。

この世界の結末 ナウシカの行末

本書は本当に壮大な物語で描かれている濃密な作品なのですが、ナウシカは最終的にこの世界の成り立ちの衝撃的な真実に辿り着きます。

そこで腐海や蟲、果ては人類の存在まで全てが明らかになるのですが、この結末が何ともリアルで現代の自分達が辿る可能性のあるディストピアを示唆しています。

筆者は初めてこのクライマックスを読んで鳥肌が止まらなくなったのですが、こういった的確な未来予測という部分もSF作品として外せない超重要な部分だと思います。

そしてそんな真実を知り世界の命運を握るナウシカが最終的に選択した答えも何とも感慨深いものがありました。

自分は読み終わった後は数日胸騒ぎが止まらなくなったので、初見の方は絶対読んでほしいポイントです!!

感想・おわりに

この作品は文明や宗教といった壮大な人類史から、自然との共生の道を探る環境問題(昨今SDGsという文言が浸透しより深刻化されていますが)、またそこで生きるナウシカをはじめとする子供から老人一人一人の暮らしといったところまで多くのテーマが緻密に描かれています。

そんな網羅性の高さと深いテーマを備えたシナリオに、日本一のアニメーターでもある宮崎駿全盛期の作画が載っているのですから傑作にならないわけがありませんw

(余談ですが超個人的には辻褄の合ったデッサンやレイアウトのパース感(アニメは動かすこと前提でデザインするけど、止め絵の漫画は結構デッサン狂ってることが多い)、爆発の煙のデザインなどアニメーター特有の描き方が垣間見れてすごく楽しめましたw)

話を戻させていただきますが、本書は漫画というジャンルを抜きにしても日本のSF・ファンタジー作品を代表する傑作となっていますので、原作をまだ読んでいない方がいればぜひおすすめします!!

ということで、ここまで読んでいただきありがとうございましたっ(^ ^)

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