【おすすめ漫画!!!】『血の轍/押見修造』レビュー×感想×あらすじ紹介!!※一部ネタバレあり

ヒューマンドラマ
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にっく
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どうも、『エンタメ研修所』運営者のにっくです(@entame_kensyu

毎日満員電車に揺られる会社通いをしていると、たまに息が詰まってどこかへ逃げ出したくなることありませんか??(筆者だけかも)

そんなとき自分の心を鎮めてくれる漫画の一つが押見修造おしみしゅうぞうの『血の轍ちのわだち』です。押見さんというと悪の華の作者としても有名な方ですね。

本書は田舎に住む主人公の中学生と、彼を溺愛する過保護な母親との異常な母子関係を描いたサイコサスペンスになっていて、人との関わり合いで生じる苦悩や葛藤が生々しいほどリアルに綴られています

この漫画を読むと、「悩みや憤りを抱えているのは自分だけではないんだな」と再認識出来て、気持ちが軽くなります。

そんなおすすめの一作を、元アニメ制作者でありエンタメオタクの筆者が語っていきたいと思います。

血の轍 / 作品概要

Bitly
  • ジャンル: 青年漫画、サイコサスペンス
  • 作者 : 押見修造おしみしゅうぞう
  • 出版社 : 小学館
  • 掲載誌 : ビッグコミックスペリオール
  • 連載期間 : 2017年6号〜
  • 単行本 : 14巻(2022年10月9日現在)
  • 受賞歴:
    『このマンガがすごい!2018 オトコ編』第9位
    『みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2018 ネクストブレイク部門』第9位
  • 作品名は作者が苦悩や痛々しさからインスパイヤーされたというボブ・ディランのアルバム名から付けられている

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血の轍 / こんな方にオススメ!

  • 鬱屈としたストレスを発散させたい方
  • サスペンス作品が好きな方
  • リアルな人間ドラマが好きな方

血の轍 / あらすじ

以降一部ネタバレを含みますのでご注意ください

北関東のどこか閉塞した片田舎で中学校生活を送る主人公、長部静一おさべせいいち

彼は『ママ』と呼んでいる母親・静子せいこの強い愛を受け止め、逆らう事なくおとなしい少年に育った。

そんな静一も思春期になり、母の度を越した過保護さに違和感を覚えるようになっていた。

そんな折のある夏休み、従兄弟家族と向かった登山で静一は静子の恐ろしい本性を目撃してしまう。

その事件をきっかけに静子は露骨にその狂気を静一に向けるようになり、彼の精神は徐々に壊れていく

静子に洗脳され行き着くどん底。その極限の向こうで彼が視た境地とは……….

ココが面白い!!見どころ4つ紹介

にっく
にっく
  1. 毒親・静子のサイコパスぶり
  2. ヒロイン・吹石由衣子の可愛さとお色気描写
  3. 感情を失っていく静一
  4. 作者・押見修造の原体験がモデルの物語

毒親・静子のサイコパスぶり

毒親とは:子どもを自分の支配下に置き、有害な影響を与える親

この作品の核である静子の底知れない恐ろしさがこの世界観を作っている見どころだと思います。

偽善的で歪んだ作り笑いや、穏やかだと思うと突然殺意に満ちた感情を爆発させたりと、次に何が起こるかわからないという緊張が終始作品の中に広がっています。

にっく
にっく

心臓の弱めの筆者は、途中から彼女が登場するたび緊張でHPを削られました( ´Д`)

ただ、物語が進むにつれ彼女の今に至るいきさつが見えてくると、長部静子というキャラに良い悪いを別にしてなんとも言えない同情を感じる部分もありました。

そういった勧善懲悪では片付けられないリアルなキャラ描写がこの作品の大きな魅力のように感じました。

ヒロイン・吹石由衣子の可愛さとお色気描写

静一が想いを寄せる中学のクラスメイトなのですが、まず単純に顔が可愛いです。

また、毎回作者が命を懸けているお色気描写に関しても息遣いや汗、赤らめた表情などの作画表現が非常に独特で見応えあるシーンになっていました。

この作品の中では数少ない静一の理解者という立ち位置のキャラですが、中盤以降の静子との接触や吹石の心境の変化にも注目です。

にっく
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吹石の存在を静子の反応と展開は鳥肌立つほど恐ろしいです・・・。

感情を失っていく静一

静子に操られていく静一は、彼女に弄ばれ傷つけられるたびに感情を失っていくのですが。

そんな彼が極限状態に陥る場面での作者の演出や作画表現は、痛々しくて直視できない程の迫力があり、巧みに描かれています。

以前、NHKの『漫勉まんべん』という漫画家を追うドキュメント番組で取り上げられた際、あの浦沢直樹うらさわなおきさんに「映像化不可能」とまで言わせたほどの完璧に練られたコマ割りとレイアウトが冴え渡っています。

2022年9月現在未完結の作品のため今後の展開が気になるところですが、どん底に落ちていく主人公の最期をどう結んで読者を唸らせてくれるのか楽しみです。

作者・押見修造の原体験がモデルの物語

この作品のもう一つの見どころは、明らかに作者の原体験をもとに考えられたであろうことが伝わる物語のリアリティです。

にっく
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読み終えて調べてみたところ、このマンガがすごい!WEBのインタビューにて押見修造さんが以下のようなコメントをしていました。

記者:中学生時代に初めてつきあった女の子がいたけど、お母様に別れさせられた実体験があると、以前おっしゃっていましたね。

押見:そのへんのことも含めて、物語形式ではなく、自伝的というか、ノンフィクションの形式で描こうとも思いました。そのほうが自分の抱えている問題を表現できるのかな、と。ただ、そのやり方だと、切り捨てられちゃうところもあるんです。実際にあった出来事を客観的に形にしても、本質がうまく伝わらないところがあるんですよね。

記者:自伝ではなく、あくまでフィクションで。

押見:これは僕の性分なのかもしれないんですが、真実が逃げていっちゃう感じがしているんです。うまく描ける作家さんもいっぱいいるんですけど、僕は本当のことだけを描くと嘘臭くなってしまう。一個フィクションをかませたほうが、本当らしく描ける気がしてます。だから、自分の身に実際に起きた出来事をそのまま描いたり話したりするのは、やぶさかではないんですけど、マンガがまだ終わっていない段階では、あんまりいい過ぎるとマンガで伝えたいことが、うまく伝わらなくなるんじゃないかな、と。

出典:このマンガがすごい!WEB

過去の隠しておきたい恥部を曝け出し、予定調和を許さない毒を含む作者の手法は賛否があるかもしれませんが、自分のようにシンパシーを感じる一定の読者にとっては胸を貫くほど衝撃的な作品に感じるかと思います。

勝手な想像ですがおそらく世の多くの人が学生時代、この静一のように世の中に行き詰まりを感じたり、イライラを押し殺して生きていた瞬間があったのではないでしょうか。

本書ではそういったリアルな心理描写が多く、まるで自分ごとのように共感が出来る没入感の強い作品になっています。

感想・おわりに

本書は作者自身の実体験をもとに、人の根っこにある苦悩にフォーカスし何かしら解決の糸口を見つけようという葛藤が感じられる壮大な作品だなと感じました。

世の中にあるエンタメ作品でここまで人間の業を追求出来る漫画には中々出会えないと思います。ここまで深掘りしたら普通は芸術というごく一部に発信するジャンルになってしまうので。

あらゆる作品に対する造形の深い作者なので、そういったエンタメ(芸能)と芸術の境界を意図的に綱渡りしているのかもしれませんね。

本書は読み終えた後は鬱屈とした孤独感が和らいで、とても気持ちが楽になる素晴らしい内容になっています。

興味のある方は下記に単行本情報をのせているのでぜひ読んでみてください(^ ^)

ここまで読んでいただきありがとうございましたっ!

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