落語より人気ない講談を愛する姉弟が……
厄介な伝統芸能の世界をひた走る！！
ひらばのひと ／ 作品概要
・本書の全面監修として六代目神田伯山が参加
本書連載にあたり２０２１年４月に作者と伯山さんは対談もされています↓↓
ひらばのひと ／ こんな方にオススメ！
- 講談が好きor興味がある！
- 日本の伝統文化に触れたい方
- ヒューマンドラマが読みたい！
ひらばのひと ／ あらすじ
落語人気が年々増している一方で、何十年も低迷し続けていた講談界。
しかし、そんな世界に憧れてかつて飛び込んでいった女流講釈師・龍田泉花はやっと二つ目まで昇進していた。
しかし彼女は自分の技量に自信が持てずスランプ気味。
更には弟弟子にあたる前座の泉太郎の才能にプレッシャーを感じる日々を送っている。
一方の泉太郎も表には出さないが、前座としての厳しい扱いに耐えながら将来への不安を感じ始めていた。
そんな悩める若い姉弟がそれでも大好きな講談にしがみつき、伝統芸能の世界をひた走っていく。
ひらばのひと ／ ココが面白い！！見どころ3つ紹介
- 落語に無い講談の面白さをわかりやすく解説！！
- 人間臭くて温かい師匠連中や常連客
- 講談とリンクする泉花・泉太郎のヒューマンドラマ！
落語に無い講談の面白さをわかりやすく解説！！
『修羅場読み』という講談特有の流れるような読み方がとてもカッコいいのですが、本書ではその雰囲気を漫画という不利なジャンルで見事に表現しているなと感じました！
また、張扇や扇子で講釈台を叩いたり、落語では少ない人格者や偉人の感動話を題材にしていたりと、むしろ講談の方が万人受けするのでは？と思うほど感情移入できる話が多く取り上げられていました！
人間臭くて温かい師匠連中や常連客
伝統芸能の世界はとても厳しい上下関係があるそうですが、本書ではそんな師匠達の愛情ゆえの厳しさを描いており素敵なシーンが多くありました。
また、寄席に通う年配の常連客達が元気のない泉花や泉太郎達を優しくフォローしてあげる場面などがありとても温かい気持ちになれました。
講談とリンクする泉花・泉太郎のヒューマンドラマ！
１話ごとに泉花達が講談の噺を１つ披露するという回が多いのですが、その噺が今の二人の不安や悩み・希望といった状況と重なっていくという構成になっていて、漫画の作り方として秀逸だなぁと感じました。
また、講談の平安〜江戸の世界観と現代とが絡み合っていくという表現も素晴らしく、日本人としてのパーソナリティを強く感じられる作品だと思います。
感想・おわりに
元々立川談志さんが好きで、それをきっかけに神田伯山さんの講談にも興味を持つようになり本書の存在を知ったのですが。
とにかく音とアクションが見せ場の講談を、漫画という静止画でここまで面白く伝えられることに驚きました！
また、細かい専門用語や楽屋での芸人たちの雰囲気など、講談に関する知識量が非常に多いです。
そんなところにも作者の絶え間ない努力と総監修を務めた伯山さんの協力の影響がすごく良く出ているなと感じました。
寄席の世界に興味を持たれた方はぜひ一度読んで見てください！
ではでは今日も一日お疲れ様でしたっ( ^ω^ )
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