どうも、『エンタメ研修所』運営者のにっくです（@entame_kensyu）
仕事や学校などで成果が出ずモチベが下がってしまうことありませんか？
そんなとき筆者が無性に読みたくなるのが東村アキコの『かくかくしかじか』です。
本書は作者の東村さんご自身が高校生の頃出会った美術教室の恩師との顛末を描いた、笑いあり涙ありのエッセイ漫画です。
この作品には東村さんが漫画家になるため恩師の先生から叩き込まれた大切な教えが随所に描かれていて、特に『クリエイター』の方には参考になるところが多いテーマになっています。
この漫画を読むと、
- 圧倒的な練習量は裏切らない
- 支えてくれている人達への感謝の気持ちが溢れる
- 「もう一度頑張ろう」と挑戦心が湧いてくる
などなど、落ち込んでいた気持ちがリセットされます。
そんな作者が自分を曝け出した覚悟の傑作を、元アニメ制作者でエンタメオタクである筆者が語ります。
かくかくしかじか ／ 作品概要
かくかくしかじか ／ こんな方にオススメ！
- 学業や仕事でくじけそうになっている方
- マンガ・絵画など絵を描く仕事に興味がある方
- 日常系コメディが好きな方
かくかくしかじか ／ あらすじ
宮崎県の片田舎で高校生活を送る林明子。
彼女は美術大学に進学し、在学中に漫画家デビューするという漠然とした計画を立てていた。そんな明子は３年生になった頃、美大受験に備え「日高絵画教室」に通うことになる。
だが彼女はその教室の講師である日高健三先生の怒涛のダメ出しにより、長年肥やしてきたプライドを粉々に打ち砕かれてしまう。
そんな漫画家を目指すお調子者の明子とスパルタ指導と深い愛情を持った日高先生との厳しい勉強の日々が始まる。
ココが面白い！！見どころ3つ紹介
- 自伝だからこそより響く温かいエピソード
- 明子と日高先生の喧嘩漫才
- プロの絵描きで食べていく楽しさと難しさ
自伝だからこそより響く温かいエピソード
本書では日高先生が現在の東村さんの漫画家としてのプロ意識を育ててくれた恩人として語られています。
小さい頃から宮崎の優しい友達や親戚たちに自分の絵を褒められ続けて育った明子は、自分を天才だと思い込んでいるイタい人間だったのですが、日高先生の常軌を逸したスパルタ指導でプライドを打ち砕かれ、歪んだマインドを一気に矯正させられていきます。
そんな先生との美大受験に向けた猛特訓の日々や、大学生活、その後の漫画家を目指す経緯といったエピソードや心情がとてもリアルに温かく描かれています。
また、明子の人生の分岐点でいつも励まし支えてくれた先生との絆も見どころです。
明子と日高先生の喧嘩漫才
この日高先生という人物、裏表が無く絵に関しては子供や老人に対しても一切容赦ないダメ出しをするとてもストイックで厳しい方なんです。
そこに『努力嫌い×楽観主義×お調子者』という三拍子が揃った明子は、度々先生の怒りに触れケンカになるのですが、その二人の言い争いがまるで息ぴったりの漫才のようで、つい腹を抱えて笑ってしまいます。
ただ、先生の厳しさには常に生徒や絵に対しての深い愛情が感じられて、笑ってしまうのに最後は優しさの余韻が残る素敵な作品になっています。
正反対の二人の面白い掛け合いに注目ですっ
プロの絵描きで食べていく楽しさと難しさ
本書では作者が漫画家として自立するまでの半生が描かれています。
そこではあまり知ることのない漫画家という職業の裏側も描かれているのですが。
連載が決まったり、有名漫画家のイベントに呼ばれたりといったキラキラしたエピソードがある一方、それ以上にプロでやっていくためにどれほど努力しなければいけないかという事が語られています。
締め切りに向け来る日も来る日も徹夜したり。風邪をひいても、気が乗らなくても描き続けなければいけないということ。
そういった地道な反復の先にしかこの道での成功が無いという、厳しくて説得力ある真実が随所に描かれています。
そういった「本当のことを描く」という作者の気持ちが伝わってくるところも魅力の一つです。
5巻の表紙に描かれた先生の表情めっちゃ好き・・・。
感想・おわりに
作品の中で日高先生が一貫して明子や教室の生徒達に言い続けていた言葉があります。
それは誰よりも自分に厳しい日高先生だからこそ言える言葉で、苦しいときいつも筆者の心にも響き続けています。
そんな温かい感動話を一貫してコメディタッチに描いている東村さんの漫画家としてのプライドもまたカッコよくて素敵でした。
余談ですが筆者がまだアニメの制作進行で駆け出しだった頃、何週間も家に帰れない生活が続き心が折れそうになったとき、本書のエピソードにすごく勇気と力を与えてもらっていました。
話が逸れましたが改めてこの作品は、練習を積み重ねることの大切さや支えてくれる周りへの感謝を思い出させてくれる作品で、モチベーションが下がっている時こそ読んでいただきたい一作となっています。
もし興味を持っていただけたらぜひ読んでみてください(^ ^)
ということで、ここまで読んでいただきありがとうございました！！
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